【大企業】なぜ、若手の優秀な社員が辞めてしまうのか
私もついに今の会社に入ってから4年が経過した。
世間一般からは大企業と言われる会社である。
しかし、私と同時期に入社した仲間達がうちから離れて外部の会社に転職している。
それが悪いことだとは思わない。
それぞれ、人間には人生ってものがあり、個々が各々の幸せを探求しているから。
ある人は、年収をもっとあげたいと考える。
ある人は、自分のやりたいことを仕事にしたいと考える。
ある人は、将来の不安を考えて、自分で全ての物事を完結させることが、継続的に生きていくために必要だと考えて、自給自足の生活を始める、、、
無限に人生の種類はあるのは知っている。
しかし、うちの会社でやめる人を見ると、
”みんな優秀”
優秀な奴から、会社を見限ったように辞めていく。
これが悲しいし、自分の会社にとっては損失でしかない。
そこで、今日は”優秀な人が会社をやめる原因”について考察してみたい
<目次>
<以下、本文>
1.優秀な人が会社をやめるのはなぜ??
私の周りの優秀な人間がやめる理由は主に以下の3点。
・成長できない環境だと感じるから
例えば、我々SEは上流工程に携わる程、協力会社のマネジメントが主な仕事になる。
それを若手の時からやることになるのであるが、圧倒的に経験値のある協力会社の人々からは煙たがれる存在になることが多々ある。
課題管理、リスク管理、進捗管理と呼ばれるある意味事務作業を延々と続けるのである。
マネジメントも立派なスキルの一つではある。
しかし、マネジメントができるかどうかは、資格や技術として見えにくいのだ。
だから、若いころはもっともっと会社で技術が磨ける環境に身を置きたいと考える人間は沢山いるのである。
つまり、”エンジニア力向上”のために転職する人が沢山いるのだ。
裏を返せば、大企業ではエンジニア力がつきづらい環境が多い。(当然、エンジニアとして力を付けれる環境はある)
しかも、上司から頼まれる仕事が全て部分的なタスクが多く、
自分の得意分野を活かせていない。(つまり適材適所がうまく活用されていない)
・今後の会社での道筋がある程度見えてくるから
大企業のSEのほとんどは、顧客ごとに事業部などが分かれている。
金融系、公共系、エンタープライズ、電気、、、
業種で縦割り組織となっているため、
他の組織との交流はほぼない。そして、狭い人間関係の中に押し込まれることになる。
すると、上の人を見ると、結局力を持った人間に対してへこへこしなくてはいけない現実を見せられる。
優秀な人は、本質的でないことをやることが総じて嫌いな傾向がある。
なぜ、出世するために人間関係ばかりに気を使わなくてはいけない?そして、こんな人間が沢山いるところで、、、上の人が詰まって出世も難しそうな環境で自分は一生を終えるのか??と考える。
すると脳みその片隅に浮かぶ”転職”の2文字。
・年収を早期に高めることができる環境ではないから
これは年収志向の優秀な人間に限ることかもしれないが、
大企業はまだまだ年功序列。本当に超絶優秀だと、超若い段階から課長とかに昇進して行くのであるが、それ以外の人は、上の人の昇進を待って自分も昇進するという順列になる。
そのため、30歳前後で年収1000万を目指すのはかなり難しい。
金融系の大企業などは、30歳で年収1000万行く人もいる。
そんな同年代と比べて、自分の年収の上がるスパンが低いことに絶望を覚える。
他者と比べ、劣等感を感じて、自分の会社よりもさらに年収の良い場所に行く。
2.<主張>優秀な人がやめるのは上司と人事の考え方が悪い
これまでは、優秀な人材がやめる理由について話してきたが、
なぜそのようなことになってしまうのか、組織にいる構成員に責任をなすりつけて語っていきたいと思う。
・人事は、間接業務に追われすぎだ、本質的に人を見てない”人事してない”
”人” ”事” と書いて人事。人間を扱い、会社の繁栄のために一人一人の会社の人間が効率的に成果を上げれるようにする事を目的として活動する集団だ。
一人一人が効率的に成果をあげるためには、以下について様々な思考を巡らせる必要がある。
・外的要因
➡︎ 職場環境、ツールなどの整備
・内的要因
➡︎ 一人一人のモチベーション(人事評価、環境、仕事内容、福利厚生)
人事は主に内的要因を、総務や社内IT部門は、外的要因である職場環境や執務環境を整えることに注力する。
しかし、人事は本質的なことをやっていないように見える。
まず、一人一人の能力を適切に測ったり、感情やモチベーションを管理すべきである。
それを上司に委任しているのかもしれないが、上司ではなく客観的な立場である人事がより一人一人の実力、モチベーションを底上げする必要がある。
なぜ、僕らは人事の顔を知らないんだろう
人事の人間は、全員の顔がわかるくらいに社員と直接接するべきである。
一見無駄に見えるかもしれないが、直接色んな社員と会話することが組織力を強固なものにするためには非常に重要なことである。
・上司は、業績を追うことも重要だが、教育せよ
上司、管理者は、自部門の業績に対して責任をもつ。しかし、昨今は年寄りが多いため、部長も課長も沢山いるため、誰が責任を持っているのか正直わからない。
確かに業績に対しては責任を負うべきであるが、
私は部下の教育と、部下のモチベーション、将来性を考えるのが一番の仕事だと思う。
業績、目先の成果にだけ囚われている上司は近視眼的にしか物事を見れていないように思う。
なぜなら、今業績が出るかもしれないが、
将来の稼ぎ頭を育てないと、組織は崩壊する。
その長期的な視点が、上司全員に備わった場合、組織は劇的な変貌を遂げるように思える。
3.今後の対策案
さて、上司と人事の批判をしたが、話を戻して優秀な社員が辞めるのはいいが、辞め方がネガティブなのは会社組織が悪いからであり、今後も改善の余地がある。
私が考える対策案を少し述べる。
・人材の流動性を高め、様々なフィールドで活躍できる環境、仕組みを作ること
この解決策は、人事、上司の協力がないとできないことではあるが、
若手社員に、自社にいると様々なフィールドでチャレンジできるかもしれないという希望と、それが本当に実現できることを具体的に示せると良い。
例えば、期限付きの部署移動ができるようにしたり、
自分のスキルセットを開示し、そのスキルセットに合う職場を自律的に探せる仕組みを作るのが良い。
上司は、いつまでも部下が自分の部下のままと考えているため、
何もアクションを取らない。
しかし、部下が自分の上司が理不尽であり、この環境ではやっていけないと判断した場合に、異なる組織に移動できるような仕組みがあると良い。
そして、相談先もより客観的な場所を選べるようにすることが重要である。
自分が所属する組織内でしかコミュニケーションチャネルがない場合、狭い人間関係の中で情報が巡るため、自己開示によるデメリットが生じてしまう可能性がある。
つまり、発言の安全性が担保できない。
そんな発言をしやすい環境を人事は作る必要がある。
・上司の評価基準の中に占める、”教育・育成”の割合を増やす人事制度にすること
上でも述べたが、上司は部下を”育てる”ということにコミットする必要がある。
育て方も、”会社の方針”にあって、”部下の方針”にあう育て方が望ましい。
積極的に成長ができる環境の提供を上司が提供する必要がある。
キャリアを育て、本人がモチベーション高く仕事ができている状態が理想であり、
そのような状態で働いている部下が多い上司を評価していくべきであると思う。
一人の上司が仕事がいくらできても、
組織のパワーでできる仕事は何倍にも大きいのだ。
だからこそ、組織の力を底上げすることに上司は知恵を使うべきなのだ。
それが、”人を育てる”、”組織を育てる”ということだと思う。
<まとめ>
色々つらつら書いたが、
大企業は組織の力を使って仕事をしている。
そのため、その組織にいる人間のモチベーションを最大化し、
成果を上げていければ、より多くの成果を上げれるように感じる。
今回は、若手が辞めるということにフォーカスしたが、
これは組織の問題による影響の一つでしかない。
辞めることは悪いことではない。
でも、組織に改善点を見つけるきっかけの一つにはなるはずだ。
私はまだペーペー社員だが、
上に上り詰めた場合、組織の持っている様々な問題を解決したい、そして全員が笑顔で仕事できるような環境にできたらと思っている。
以上。